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2026.05.10 お知らせ

【2025年6月から義務化】企業の熱中症対策とは?



「暑っ……まだ5月なのに真夏みたい!」
朝の通勤電車で汗だくになりながら、
ふと「この暑さの中での仕事はしんどそう・・・」
と思ったことはありませんか?

ここ数年の猛暑で熱中症が多く発生し、
職場での熱中症による死亡事故も増えています。

そんな中、今年6月1日より労働安全衛生法が改正され、
法律で熱中症への対応が義務付けられます。

職場での熱中症事故を防ぐために、私たちはできることは何でしょうか。
この記事では、法改正の内容についてわかりやすく解説します。


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CONTENTS 

- なぜ今熱中症対策が義務化されるの?
- 対象となる職場(業務をする場所)は?
- WBGTとは?
  - 作業別のWBGT基準値と対策は?
  -WBGT基準値は1つではない
-具体的になにをすればいいの?
-誰がマニュアル作り&関係者への周知をするの?
-まとめ


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1. なぜ今、熱中症対策が“義務”になるの?





(厚生労働省パンフレットより)



近年の猛暑により、毎年職場での熱中症による
死亡・重症事故が増加しています。

「気づかず作業を続け、倒れてしまった」

厚生労働省によると、仕事中の熱中症の事故の原因の多くは
初期症状の放置や対応の遅れによるものです。

痛ましい事故を未然に防ぐには、
体調の異変を早期に発見し、適切な対処をする事が重要です。
今回の法改正は、

職場の熱中症事故を未然に防ぐこと・重症化を防ぐこと

目的にしています。



2. 対象となる職場(業務をする場所)は?




    ☑️職場とは、店舗、支店、倉庫等の他に、一時的な現場(工事現場等)を含みます。
    ☑️屋外だけでなく、倉庫・厨房・工場などの屋内も含まれます。
    ☑️対象の時間帯が1日中の一部でも、義務は発生します


 詳しくは次で解説します





2-2 「WBGT(暑さ指数)」とは?

 

WBGTとは「Wet Bulb Globe Temperature」の略です。

人体と外気との熱のやりとりに与える影響の大きい

*湿度
*日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境
*気温

の3つを取り入れた指標です(気象庁HPより)。

気温だけでは判断の難しい、見えない熱中症の危険度を評価できる、
信頼性の高い指標です。


WBGT値は、市販の機器で測定することができます。
また、「環境省熱中症予防情報サイト」でも確認することができます。

<参考 環境省熱中症予防情報サイト>

https://www.wbgt.env.go.jp/



Point!業務中、こまめに測定することが熱中症対策の第1歩です。

 


2-3. WBGT基準値は1つではない



WBGTの基準値は、作業によって異なります
作業のきつさ(強度)によって、暑さへの耐性が変わるためです。

Point!まずは業務がどの区分になるのかを把握しましょう。



(厚生労働省パンフレットより)
 



3. 具体的になにをすればいいの?



熱中症を未然に防止・重症化を防ぐ
ために次の2つが求められます。

 




 
具体的に解説します



義務① 報告体制の整備 


業務をする場所で関係者※1が体調不良を感じたときや、体調不良者を発見した際に、
誰に・どのような方法で報告するかをあらかじめマニュアル化し、職場毎に関係者全員に周知しましょう。

※1関係者とは、雇用する正社員やパートアルバイトの他、1つの場所で作業をする派遣社員や、
  元請け・下請け・関係会社の従業員も含みます。
  社長や個人事業主については法律的に関係者とはなりませんが、
  熱中症はどんな肩書きの人もかかり得る危険があるので、関係者として体制の対象とすることが望ましいです。

 

義務② 行動マニュアルの整備


熱中症が発生する恐れのある人が発生した場合、素早い対処をして悪化を防ぐために
誰が・何をするのかをあらかじめマニュアル化し、職場毎に関係者全員に周知しましょう。


例:
- どんな状況の時に作業を中止するのか
- 休憩場所、避難場所の確保
- 水分・塩分補給
- 医療機関への搬送判断

 

単に「暑いときは気をつけよう」ではなく、

体調不良の早期発見し、誰が・いつ・どのように動くか

普段から決めて周知をしておくことが求められます。



 

4.誰がマニュアル作り&関係者への周知をするの?



3でご説明した対策を実施する義務があるのは次の方です。

 ★労働者を1人でも雇っている法人・個人事業主
 ★複数の事業者が同じ現場で作業する場合、その現場を統括する責任者(法人や個人事業主)




 

5.  まとめ|命を守ることが、企業の信頼を守る



「うちは屋内だから大丈夫」「軽作業だから問題ない」と思っていても、
意外なリスクが潜んでいることもあります。

重大な事故を防ぐために大切なのは、「暑くなったら個人個人で気をつけよう」ではなく、
“いつ・誰が・どう動くか”を事前に決めて、関係者が知っておくことです。


✅熱中症の危険度を見える化(WBGTの測定)
✅体調の異変を感じたら、誰に伝えるかをマニュアル化
✅体調不良者が出た際に素早く対処できるマニュアル作り


猛暑の季節でも、業務をする関係者全員が安心して働ける環境を整えていきましょう🌞






<参考 厚生労働省パンフレット>

https://www.mhlw.go.jp/content/001476821.pdf


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